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■沿革 |
行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類等の作成を業とする国家資格者であるが、昭和20年以前、このような業を営む者は代書人と呼ばれていた。
この代書人という用語が初めて公的に用いられたのは、明治5年(1872年)8月3日の太政官達「司法職務定制」であった。
代書人の規定がおかれた理由は、明治政府が欧米の裁判制度を導入した際に、その公正、迅速な運用を図るため、文字や文章を書くことが出来ない者又は書式手続きに不慣れな人民に代わって代書人に訴状を作成させるものとしたためであるとされている。このときは、代書人の資格について特に定めはされていない。
この司法関係の代書を業とする者は一般に司法代書人と呼ばれ、現在の司法書士につながるものとされているが、このほかに市町村役場、警察署等に提出する書類の作成を業とする、いわゆる行政代書人も活動を行っていた。
明治30年代後半には、司法代書人たると行政代書人たるとを問わず、悪質な代書人を取り締まる目的で、警視庁令や各府県令で代書人取締規則が定められるようになった。
この中で代書人は、「他人ノ委託ヲ受ケ、文書、図面ノ作製ヲ業トスル」、あるいは、「他人ノ委託ニ依リ料金ヲ受ケ文書ノ代書ヲ業トスル者」等と定義されている。
代書人になろうとする者は、所轄警察官署の許可等を受けることとされたほか、代書料の認可や警察官による代書事件簿の検閲等の監督規定がおかれていた。
司法代書人に対する取り締まりが法律によって規定された頃、それに対応してこれまでの代書人取締規則を見直し、その監督規定を統一することを目的として、大正9年11月25日、内務省によって「代書人規則」が定められた。
これは、従来の代書人取締規則を概ね踏襲したものであり、取締的性格が強いものであった。
このため、昭和10年代には、行政書士法の制定を求める運動が高まりを見せ、国会においても何度か審議がなされた経緯がある。
代書人規則は、「日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律」により、昭和22年12月31日限りで失効することとなり、この結果、代書人の営業は法令上何らの規制もなく放置されることになった。
このため、都道府県においては住民の不利益を除去する必要等から、条例をもってその業務の規制を行うところもあらわれた。
これらの条例はその内容においては、概ね代書人規則を踏襲しているものが多かったが、その名称は「行政書士条例」となっており、営業許可及び監督は都道府県知事が行うものとされている。
この行政書士条例は昭和25年当時、20余の都府県において制定されていたが、なお未制定の地方も多く、また住民の便益のため、法制化を要望する動きもあり、行政書士法案として議員提案の形で第10回国会に提出された。
この法案は、昭和26年2月10日成立し、2月22日公布され、3月1日から施行された。なお、昭和28年には日本行政書士会連合会が設立された。
昭和38年9月に、米国占領下の沖縄において、琉球行政書士法が施行され、琉球行政書士会が設立された。その後、昭和47年5月15日の日本復帰に伴い、会名を沖縄県行政書士会と改称した。
なお、 昭和58年には行政書士試験が国家試験に移行した。
また、平成12年度から(財)行政書士試験研究センターで行政書士試験が行われることになった。
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■業務 |
行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、役所に提出する許認可等の申請書類の作成並びに提出手続代理、遺言書等の権利義務、事実証明及び契約書の作成等を行う。
行政において福祉行政が重視され、国民生活と行政は多くの面に関連を生じることとなり、その結果、住民等が官公署に書類を提出する機会が多くなっている。
又、社会生活の複雑高度化等に伴い、その作成に高度の知識を要する書類も増加してきている。
行政書士が、官公署に提出する書類等を正確・迅速に作ることにより、国民においてその生活上の諸権利・諸利益が守られ、又行政においても、提出された書類が正確・明瞭に記載されていることにより、効率的な処理が確保されるという公共的利益があることから、行政書士制度の必要性は極めて高いと言われている。
業務は、依頼された通りの書類作成を行ういわゆる代書的業務から、複雑多様なコンサルティングを含む許認可手続きの業務へと徐々に移行している。平成13年の行政書士法改正では許認可申請手続きや契約その他に関する書類作成への代理権が盛り込まれ、高度情報通信社会における行政手続きの専門家として国民から大きく期待されている。
行政書士業務は広範囲にわたるが、事例として特に次のような仕事を行っている。
○建設業許可関係 ○農地法関係 ○会社設立 ○相続・遺言 ○内容証明
○開発許可関係 ○産業廃棄物許可関係 ○風俗営業許可関係
○自動車登録 ○外国人の出入国事務関係 ○各種契約書の作成
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■報酬 |
行政書士が業務を行ったときに受ける報酬額については、各行政書士が自由に定め、事務所の見やすい場所に掲示することとなっております。日本行政書士会連合会ではこれらの報酬額について、依頼者の選択及び行政書士の業務の利便に資するため、行政書士法第10条の2第2項に基き、2年に1度全国的な報酬額統計調査を実施しています。
なお、同一業務でも具体的な取扱い内容等によって、行政書士の受ける報酬額には大きな差が生じます。ご依頼される際の費用等の詳細につきましては、まずはお近くの行政書士にご相談ください。
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■登録 |
行政書士となる資格を有する者が、行政書士となるためには、日本行政書士会連合会が備える行政書士名簿への登録を受けなければなりません。
行政書士名簿の登録を受けるためには、行政書士事務所を設けようとする都道府県の各行政書士会へ、必要な書類を提出する必要があります。
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